蒼白センチメンタル

目を覚まして最初に見たものは、俺の部屋よりも高い天井。

身体を起こして周りを見回すと、見慣れた俺の部屋。

この違和感は何だろう。

学校から帰ると、母さんが俺の名を呼んだ。

俺の名前なんて忘れてしまっていたのではないかと思うくらい久しく呼ばれていなかった名だ。たったそれだけで舞い上がった俺は、靴を脱ぎ捨て、声のした方へ駆けた。

其処には見知らぬ男と幾つもの札束。

「理さん、あなたは今日からこの方にお見受けされるのよ。」

実の母親に売られた深谷理は、手錠を掛けられ黒い車に押し込められる。

錠剤を呑まされ、目が覚めると同級生の金子天馬がいた。

「じゃあなんで金子はここにいるの!?お前も売られて来たの?」

「君面白いね。僕が深谷を買ったからだよ。」

冒頭の書き出しを統一してそれ以降の話を各自執筆してみませんか、という企画から生まれた物語です。

プロローグが共通部分になります。

※暴力表現ございますのでご注意ください

月に数ページの頻度で不定期に更新しております。

100ページ到達記念SS(Caravelに飛びます)→http://cvel.jp/book/19061/

・登場人物・

深谷 理(ふかや さとる)
この物語の主人公。高校2年生。

金子 天馬(かねこ てんま)
理と同級生。
大企業・松浦グループの次期後継候補。

坪井 彰(つぼい あきら)
天馬の執事。

深谷 一樹(ふかや いつき)
理の義弟。中学3年生。

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