久遠(くおん) …少年。龍を殺したいほど憎んでいる。
龍(りゅう)…久遠の保護者。久遠を盲愛する。
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「だって邪魔でしょう」
奴はしつこい蝿を払うかのように冷たい目を落としてそう言った。
「君を独り占めするために」
そこから先は、俺が何を言ったか憶えていない。
知り得る限りの罵詈雑言を浴びせたはずだ。
用意していたナイフを横に振り、奴に教えられた護身術のとおりの間合いから奴のハラワタを狙った。
この日のために準備してきた。
奴をどう殺すかを。
どう懺悔させるかを。
奴を——
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2019.1.3 小説公開
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