ずっと、あなたの番です
ーーそれは遥か昔の物語。
帝国の遙か西の海。海域の中心部にある巨大な島から謎の汚染物質が噴出し、あらゆる生態系が破壊された。楽園の面影はどこにもなく、現在は死の海域として人々から忌み嫌われ、地図からもその存在は抹消された。
近年の研究で汚染区域が拡大の一途を辿っていることが判明し、行く末を危惧した帝国は汚染被害が深刻な区域に特殊な訓練を受けた兵士を派遣した。時に調査を。時に魔物との戦闘を。兵士たちは腐敗臭たち込める魔境で、その身を削って任務にあたる。
「ずっと俺のターン!」
今年もまた新兵が島に送り込まれた。
この世界は、美しくない。全てが腐っている。だがーー
「こいつのうなじは俺のものだ」
腐っていて何が悪い。