悪魔の純愛

   『悪魔の純愛』あらすじ

 語り部である『僕』は過去の不法侵入者によって宿命の道筋を切り替えられていた。
 その無粋な者というのがKであり、僕になんだかの好奇心を持ち、それを推し進めることを正義として、不法侵入を決行した。順調に屋内へ忍び込むと、幸運にも隣の部屋が意中の人である所の僕の部屋であった。そこでは僕と妹が仲睦まじく寝しなのひと時を過ごしていた。その時、妹の鋭利な直観によってKの存在を悟るも、兄の助言により何事もなく時間は経過した。翌朝、Kの行動開始。家の者が出払っている隙に腹を満たすべくキッチンへ向かうと、不運にもメイドと出くわしてしまう。しかし、彼女はメイドとしての品位に欠けており、あろうことかKを来客扱いし、僕の部屋へと案内してしまう。自らの悪運の強さに舞い上がり、Kは僕のベッドであらぬ妄想を繰り広げ、自らの性の欲望を吐き出す。傍若無人な様相をよそに、部屋の主が帰宅し、退路を断たれたKは機転を利かせて身を翻してやり過ごす。好機を待ち構えていると主は夕寝を初めたようで、その無防備さにつられてKは僕の前へと姿を現した。そしてKは突如覚醒した僕に捉えられる。僕には寄せ集めの家族による心の空虚があり、Kを眺めることでその穴を埋めていた。そんなKを手中に収めたいと餌を蒔き、罠を張りその時を待っていた。Kの方も僕に一目惚れと初恋という幸福な二重苦により突き進むしか道はなかった。両片想いだった二人は運命と出会い若い性欲を余すことなく愛に乱れていく。
 そんな寝物語を僕は今夜も妹に聞かせてやるのだった。それは全て人間換算で成人しようとしている、人造人間の少女であり、妹が性に狂わぬよう、心と愛と気遣いを得られるようにとの兄の計らいでもあった。そしてKは人造少女の一開発者として僕の父の研究所で仕事に励みつつ僕との愛にも勤しんでいた。

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